日本病理学会 日本骨軟部腫瘍研究会との合同開催
当番世話人 白神伸之(東邦大学医療セ大森 放射線科)
山口岳彦(獨協大学越谷病院 病理診断科)
当番世話人から
さる1月23、24日に東京品川のコクヨホールにおいて第26回日本骨軟部放射線研究会が開催されました。今回は病理の第53回日本骨軟部腫瘍研究会(bone tumor club: BTC)との初の合同開催が企画され、BTC当番幹事である獨協大学病理学教室の山口岳彦先生と開催に向けて調整にあたらせていただきました。コクヨホールは当研究会では初めて使用される会場でしたが、アクセス、規模やホール内の机、椅子の配置などが当研究会にマッチしていると思われ参加者からもおおむね好評でした。合同開催の特別講演として、2日間のランチョンセミナーでオーストラリアから骨軟部の病理医であるDr. Fiona Bonarをお招きして、non-neoplastic disorderとgiant cell lesionについて各1時間ほどの講演をいただきました。また恒例の片山記念講演では慶應義塾大学整形外科学教室の森岡秀夫先生に、最近のトピックスの一つである抗RANKL抗体を用いた骨巨細胞腫の治療戦略について講演いただきました。ともに非常に教育的かつ示唆に富んだ内容で参加者の知的好奇心は大いに満たされたのではないかと思っています。
私事ですが今の施設に私が赴任して8年目になります。当院では私の赴任前から臨床各科がそれぞれCTの枠を持ち検査予約から診断まで行っており、今現在も消化器内科の枠を我々は吸収できておりません。この状況は明らかに時代に逆行しているのですが、医師数の増加する将来、放射線科にとって死活問題となる要素を含んでいると思われます。夏季セミナー当番幹事の青木純先生が整形外科医に言われた、私は影しか見ない医者は信用しない、という言葉はおそらく臨床家の根底に根深く潜んでいる感情だと思います。我々放射線科医は影を見るだけでなく、影のでき方、作り方そしてミクロで何を反映しているのかについて知悉しておくことが画像診断専門医として臨床家に強く診断根拠を伝える、また存在意義を訴えるポイントになるのではないかと思います。そういった意味からも、今回の合同開催は我々にとって非常に有意義であったと思います。今回最初の開催であり調整が大変な部分もありましたが、今後も定期的に合同開催できることを祈念いたします。
最後に、BTCの野島孝之先生、山口岳彦先生には多大なご協力をいただきました、また事務局の松野真理子さん、バイエル薬品中橋陽子さん、Fuji Film関係者各位には献身的なご協力をいただきました、深く感謝いたします。
←白神先生の開会の挨拶
↑BTC当番世話人の山口岳彦先生、招聘演者のFiona Bonar先生と